高難度パフォーマンスの応酬
さっそく、始まったのは「全日本学生けん玉選手権」。選手たちは2列に並び、片方のプレーをもう一方が判定するという方式だ。「課題」を互いに数回行い、1回成功につき1ポイントが与えられる。最終的に獲得ポイントを争い、予選の上位者がトーナメントで1対1の勝負を行う。
まず予選がスタートしたが、それまでの和やかな雰囲気は一変し、張りつめた空気が会場を包む。静まり返った会場に「カン、カン」という音と、選手たちの「ふーっ」という息遣いだけが響き、見ている方も思わず息をのんだ。例えると試験会場といった感じだろうか。しかも、エアコンが入っているというのに額の汗を拭う選手たちが目立つ。間近で見て、これがスポーツ・けん玉なのだなと実感した。
「技」も実に多くのものがある。皿やけん先に玉を乗せるだけでも色々なバリエーションがあり、けんではなく玉の方を持ってけんを受けたり、玉の上にけんを乗せたりするものもある。また、けん玉を空中に上げてキャッチする"空中技"は実に鮮やかだ(動画あり)。
この空中技に特化した「JKA空中技研究学会杯」の本戦では、規定課題の他に自由課題があり、多くの選手が難易度の高いオリジナル空中技を披露した。空中に投げたけん玉を一回転してキャッチし技を決めたり、空中で目にも止まらぬ早さでけん玉を回す"扇風機"という技を多用したりと、どれも素晴らしいパフォーマンスだった。