原研哉さんが見つめる「白」 ~ギンザ・グラフィック・ギャラリー 原研哉展~

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ギャラリーはまさに白と黒と銀の世界

異次元に舞い込んだような感覚も〔(C)Mitsumasa Fujitsuka〕
異次元に舞い込んだような感覚も〔(C)Mitsumasa Fujitsuka〕

   「白」を読んだ上で見ると原さんのこだわるところがよくわかる。原さんは別に白を好む人でもなく、デザイナーは黒を着るべきだと決め込む人でもない。自然に普段の仕事では様々な色を使っている。病院のサインではきちんと赤を使う。しかしよく選ばれた赤で「緊急!」と叫ぶ感じではなく、「安心して、こちらへ」と言う印象の赤だ。写真集を頼まれると極力デザインなんてしてませんとばかりに静かに黒の中に納める。無印良品では白が活躍しているけれど、そこでも他の色があって、トーンがあっての白だ。生成りの色、無垢の色としての白の表現だ。自分の何か言いたい時の白とは違う。

   白黒銀の世界から振り向くとそこに東京大学総合博物館の学術標本の写真集の、まさに色のある世界が置かれている。アクリルケースに入った本というアイデアのすごさもあるけれど、ここはきっと透明という名の「白」が展示したかったに違いない。




◆坂井 直樹 プロフィル

坂井直樹氏
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。同年12月には、日常の出来事をきっかけにデザインの思想やビジネスコンセプトを書きつづった「デザインの深読み」(トランスワールドジャパン刊)を著した。

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