世界中タダで無線LANネット 「FON」のウマい話はどこまで本当か

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外出時のアクセスは、個人の善意が頼みとなる

パリ凱旋門周辺にも多数のAPがある。実際に接続できるかは別問題
パリ凱旋門周辺にも多数のAPがある。実際に接続できるかは別問題

   それでは、FONを外出時の無線LANサービスとして使うときに、BBモバイルポイントやフレッツ・スポットといったサービスと比較して、どんな違いがあるだろうか。

   これらの有料サービスは、たとえば商業施設などのランドマーク的な場所を中心に展開している。「マクドナルド○○店」「○○駅改札付近」にAPが設置されていて、そこに行けばネット接続ができるし、万が一使えなければ苦情を入れるぐらいは可能である。

   一方、FONは個人の善意の集合体であり、APは自分を含めた各ユーザーの自宅などである。数字上は日本国内に約45000、世界で約30万のAPがあることになっているが、その場所を知るのには、ユーザーがルーターの設置場所を自己申告で登録したネット地図「FON Maps」が、ほとんど唯一の手がかりだ。なかには正確な位置を登録していなかったり、ルーターの電源を切っているケースもありえる。フォン・ジャパン株式会社も、FON Maps上のAPの位置は「正確さを保障するものではない」としており、責任を負わないのである。

   また、ルーターの電波は理論上50m届くと公式サイトで説明されているが、障害物などによってその距離は大きく減じる。豪邸の中心にLa Foneraが設置されていたら、壁の外側からいくらアクセスを試みても、おそらく徒労に終わるだろう。

   いざ外で使おうとすると、本当に接続できるかわからない不安がFONにはつきまとうのだ。

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