「少子化」でも調理玩具の将来は明るい?
本格的なそばを作れ、団塊の世代を中心に大ヒット
調理玩具のターゲットは子供に限らない。「玩具」と呼ぶことをためらうほど立派な、大人対象の本格的商品もある。
タカラトミーは07年10月、「大人の趣味」シリーズから、そばを自分で作れる「いえそば」(希望小売価格1万3125円)を販売しているが、50代~60代の団塊の世代を中心に好評を得ている。3万個以上を出荷しており、同社広報課の工藤芽生さんは「ターゲット層と年齢層から言うと、ヒット商品といえる」と語った。
大人向けだけでなく女児をターゲットにした同社の調理玩具シリーズも好調で、工藤さんは「ドーナツなども火を使わずにレンジで作れるので安全。お母さんと娘さんで楽しみながら作れる点も受けている要素」とみている。同社では08年10月以降にも、大きなプリンを作れる「ギガプリン」やクレープメーカー「くるりんクレープパーラー」を売り出す予定だという。
各社から商品が売り出され、後継商品の発売も次々に決まるなど、ブームを巻き起こしている調理玩具。玩具業界全体では「少子化」が深刻な問題になっているが、調理玩具ブームの今後はどうなのだろうか。日本玩具協会の稲増和夫さんが次のようにまとめてくれた。
「おもちゃメーカーは市場が狭まっているので、色んな方面にアンテナを張り、ブームを敏感にキャッチしての商品展開が重要になってきます。調理玩具ブームが定着するかどうかは分かりませんが、これからも注目されそうな分野であることは間違いないでしょうね」