「違い」はどこか…カスタマイズ性、バッテリー、そして価格
注文を受け付けるデルのサイト。米国にくらべて割高な価格設定になっている
SSDのほかにも両者の共通点は多い。ディスプレーサイズ、CPU、本体カラーは黒と白で、最小構成時で1.035 kgの重量、サイズもほぼ同じ。米国モデルでは、補助的な保存手段としてオンラインストレージ(2GB)を無料で提供するとしており、これもEee PCと同じアイデアだ。
まるで、Eee PCの完全なるコピー商品、クローンのようにも見えるInspiron Mini 9だが、今のところ、仕様上での違いはどこになるだろうか。まずデル製品全般の特徴でもあるカスタマイズの多様性が挙げられる。SSDの容量やOS、1.3MピクセルのWebカメラと内蔵Bluetooth機能もオプションとなっている。SSDは4GB、8GB、16GBの3種類から、OSはWindows XPとLinux系のUbuntuから選べる。
明らかなマイナス点は、最大3時間40分駆動とされる 4セルのバッテリ。これは6セルで約8.3時間駆動(JEITA測定法)のEee PC 901-Xに大きく劣るはずだ。それでも、5日現在、米国ではXPのフルオプション・モデル(黒)が約479ドル(期間限定の割引適用後)で売られているから、2セル分の差は容認できるかもしれない。Eee PC 901-X(XPモデル/SSD12GB)の実勢価格550~600ドルにくらべて10~20%、約100ドルも割安なのだ。ただし、同じスペックのモデルが国内では約70000円。日米間でかなりの 「違い」が目立つ、強気の売り出し価格になってしまった。
米国モデルの価格を先に知った筆者は、破竹のEee PCの前にようやく本物の挑戦者が登場か――と一瞬色めき立ったのだが、どうやら海の向こう限定の話になってしまったらしい。今後の国内販売価格が米国基準に是正される可能性に期待したいところだ。
虎古田・純