これが「Web2.0」の次の流行語?「クラウドコンピューティング」

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裏の意味は「縁の下の力持ち」のアピール

   「表」にはユーザーと雲が見えているが、その中(裏)には「縁の下の力持ち」的(でパソコンとOSよりも重要)なネットIT企業がいる。「クラウドコンピューティング」は、ネットの現状とともに、それを実現する技術、事業、企業の重要性を言っていたのである。

   「クラウド」と「コンピュータ」というコロケーションの新鮮さもさることながら、その成り立ちからして、ビジネスに向きそうなこの言葉が、ネットのあらゆる場面で便利に使われるようになったのは自然の流れだろう。何かを売りたい人たちには、格好の新しい衣装である。

   アプリケーションをネット経由で配信する――昔ならASP事業と呼ばれたが、今やクラウドコンピューティング事業に。データセンターはクラウドコンピューティング・センターへ早変わり。某社が見かけ倒しの省能力パソコンを発売すれば、アナリストが「クラウドコンピューティング戦略に沿ったパソコンだ」と褒めそやす。なぜなら、データをネット上に保存せざるを得ないから。シュミットに従えば、HDD10TBのWindows Vista搭載デスクトップパソコンだろうが何だろうが、ネットに接続できればクラウドコンピューティング対応パソコンのはずなのだが――。

   そもそもグーグルを筆頭にした「クラウドコンピューティング企業」も、古くさくなった「ドットコム企業」のリニューアルに過ぎないのかもしれない。結局のところ、この新語も、IT用語のいつもの古い道を辿ってきたし、これからも進んで行きそうである。

虎古田・純

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