東京の姿とそれを生んだ戦後のイメージが「靴」に結晶
"エレクトリック・タイガー・ランド"をテーマにしたグラフィックを施したモデルの黒(Electric Black/Black)
ネオンが浮かび上がった状態
今年になって、オニツカタイガーはまず「Made of JAPAN」という言葉でブランドの今年の方向性を見定めた。そもそも今のオニツカタイガー自体、アシックスが自らの原点を見直すことで新たな価値を見いだそうと始まったブランドだ。伝統柄を用いたり、さらには西陣織りをアッパーに使ったり、とオニツカタイガーを生んだ日本を見つめる作業へと自然につながる。
そして「エレクトリック タイガーランド」では現代日本に視線を向けてみた。東京の姿とそれを生んだ戦後のイメージがひとつになってこの靴に結晶した。こだわりはさらに深く、この靴のベースには1972年の札幌冬季オリンピック大会で日本選手団がトレーニングや入場に使ったデレゲーションシューズを採用しているという。こだわって、こだわって、これでもかとオニツカタイガーのDNAが注ぎ込まれている。
コンセプトから商品になる時に、コンセプトとはまったく違う要素が組み込まれていくことが多い。このコンセプトビジュアルと結果としての靴を見るとそこにまっすぐにつながるものを感じる。真剣に考え抜いたことが伝わってくる。
坂井直樹