「物議を醸してでも映画に注目してもらうのが、批評家の役割」
ふだんは辛口の前田さんも「ダークナイト」には97点をつけた
だが、アイドル主演の映画をけなしたりすると、厳しい内容のメールが読者から届くこともあるという。でも、前田さんは気にしない。
「一番ダメなのは、何の反応もないこと。今は映画が多いから、公開されてもすぐに消えてしまう。そんな中で、物議を醸してでも映画に注目してもらうのが批評家の役割だから」
一方で、コラムを読んだ人から感謝の声が寄せられれば、やはりうれしい。
「前田さんの批評がきっかけで、映画鑑賞が2人の共通の趣味になりました。いい老後が送れそうです。ありがとう」
そんなメールがある老夫婦から届いたこともあったそうだ。今後も、年に2、3回しか映画館に行かないようなライトユーザーの裾野を広げていくこと目標に、忌憚のない批評を書いていくつもりだ。
ちなみに、2008年夏の映画のオススメは? そうたずねると、前田さんからは、
「バットマンシリーズの最新作『ダークナイト』がダントツでいい。特に男性にオススメ」
という答えが返ってきた。