現役漁師が教える「漁業体験」
漁で釣った魚は持ち帰りが可能
職業体験プログラムは地方でも展開されている。ユニークなのは、三重県熊野市で行われている漁業体験プログラム「ケンケン漁体験」と「タコかご漁体験」だ。地元の現役漁師が指導する。
キッズホテリアは純粋な子ども向け企画だったが、こちらは大人も参加ができる。逆に中学生未満の子どもは大人の同伴が必要となる。ケンケン漁とは、船を走らせルアーをひっぱり、カツオやサバ、ハマチなどを釣り上げる漁法。一方、タコかご漁とは前日に海底に仕掛けた特殊なカゴを引き上げてタコを採る漁法のことだ。
「漁体験プログラムは2005年7月、地域活性の一環として熊野市から要請を受け、スタートしました。ほとんど宣伝もしていなかったのですが、現在は愛知・奈良・大阪など、近郊県から参加される方も増えてきています。一度漁業を体験してみたかったという方がほとんどですが、気に入るとリピーターになる方もいらっしゃいますね」
プログラムに携わる「遊木 海と自然のクラブ」の濱中朋美さんは、このように話す。大人から子どもまで幅広い年齢の人が利用しているが、特に30代、40代が多いという。子どもと一緒に家族で参加するだけでなく、大人同士で楽しむケースも目立つそうだ。
プログラムは夏明けから9月下旬まで。多いときは1日20人ほどの参加者があり、07年は期間中約350人が参加した。この漁体験は、漁師の後継者不足対策という意味合いもあり、中には漁師志望の若者もちらほら見られるのだとか。