2008年7月にソフトバンクモバイルが発売したアップル製のスマートフォン「iPhone 3G」。7月のソフトバンクの契約純増数は、前月比で約5万5000件増の21万5400件増となっており、iPhone効果のほどがうかがえる。
iPhoneの販売台数をソフトバンクが公開していないため、今ひとつ実態が不明だが、発売してしばらくは「黒船」どころか火星人がケータイ界に襲来したような騒ぎだった。
進化の度合いや目新しさに乏しい「iPhone」
iPhoneの背面にも刻印されているアップルマーク。何に見える?
ソフトバンクの孫正義社長自身、iPhoneのヘビーユーザーであり、「iPhoneを持っている人とそうでない人では人生の速度が変わる。別人種と言っていいくらいの違いが出てくるだろう」とまで絶賛している。
その孫社長にとっても、iPhoneの出足は想像以上だったというが、以前のコラムに書いたとおりの冷めた見方をしていた筆者としても同じ思いである。意見が違うのは、製品についての評価だ。
当時は不明だった具体的な料金プランや販売価格等の詳細が明らかになり、本物と身近に接する機会に恵まれたが、製品そのものに対する印象は変わらなかった。イケメンなルックスと、製品の醸し出すイメージとは裏腹に、進化の度合いや目新しさに乏しいというものだ。
虎古田・純