夏にオススメ「天空の水族館」 夜空に浮かぶ金魚やサンゴ礁

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   今年は、お盆だから帰省、いっそ海外旅行――ではなく自宅で過ごす人も多いようだ。そんな人にオススメのスポットが六本木ヒルズの52階、東京シティービューに登場したスカイ アクアリウムII。暑さをすっかり忘れさせてくれること請け合いだ。

沖縄の海でもなかなか見られない「夜のサンゴ礁」

大都会のパノラマを背景にクマノミが泳ぎ回る
大都会のパノラマを背景にクマノミが泳ぎ回る

   最初に迎えてくれるのはクマノミの群れ。「パラダイス・フォール」と名付けられた階段状の水槽だ。この水槽の上に回り込むとクマノミごしの東京の風景という演出。よく見ると、1段ごとに違う種類のクマノミがいて、最上段だけは何種類ものクマノミがいる。そして緩やかにグループを作っている。この景色だけでも充分楽しめた。

   僕が覗いたのは夕暮れ時で、それはそれでいい雰囲気だったのだけれど、この風景は夜景でも早朝でもいい眺めだろう。窓からの光がしっかり入ってくるので、クマノミたちも時間に合った生活ができているに違いない。

   しかし、本題はこれから。様々に工夫の凝らされた水槽がこの後、次から次へと現れて驚かせてくれる。

   まずはアクアリストたちがそれぞれに工夫を凝らした水槽が展示されている。ここではなかなか見ることのできない夜のサンゴ礁の風景もいくつかある。生きたサンゴがポリプを伸ばしている姿が目の前にある。

   沖縄の海でサンゴ礁を見た、という人もなかなかこの風景は見たことがないだろう。それぞれの生態にあった魚たちの姿をたくさん見ることができる。それぞれに自分のイメージで水槽に名前が付いていて、その名付け方と照らし合わせながら見るのも面白い。

「屏風」の間を泳ぎまわる金魚たち

金魚が泳ぐ不思議な「屏風」
金魚が泳ぐ不思議な「屏風」

球体の水槽が作り出す「アース・アクアリウム」
球体の水槽が作り出す「アース・アクアリウム」

   順路に沿って進むと今度は金魚の泳ぐ「屏風」が現れる。水槽の形をこう工夫する想像力には感心する。金魚が高さ2メートルほどの屏風の中で上を泳いだり、下を泳いだり。さらにここにプロジェクターで様々な文様が重ねられる。和、というよりもこれは驚きだ。水の循環を考えると実はいろいろと見えない工夫もあるのだろう、と推察するばかりだ。

   会場にはディスカスもいた。アマゾン原産の淡水魚。円盤のような形なのでディスカス。実は僕も長いこと、この魚を飼っていた。特殊な生態を持つ魚で、熱帯魚の中でも人気が高い。しかし実際に飼ってみればわかるのだけれど、水質管理などの世話をきめ細かくする必要がある。なんだかここまで来て、苦労を推し量ることもないのだろうが、ここの管理も大変だろう。

   最後にこだわりの空間がある。「アース・アクアリウム」と名付けられている。地球のような大きな球体の水槽があり、取り囲むように4つのサンゴ礁の浅瀬が用意されている。静かに覗き込んでいると魚が自然に暮らしている様子を見ることができる。サンゴ礁では人が近づくと逃げ込んでしまったり、威嚇したりとなかなか人のいない時の様子は見られないけれど、ここではそれが割とすんなり実現している。

   見る前は正直、奇をてらった水族館かな、と思っていたのだけれど、そんなことはない。きちんと楽しませてもらい、きちんと学ばせてもらった。

坂井直樹




◆坂井 直樹 プロフィール

坂井直樹氏
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。同年12月には、日常の出来事をきっかけにデザインの思想やビジネスコンセプトを書きつづった「デザインの深読み」(トランスワールドジャパン刊)を著した。

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