「屏風」の間を泳ぎまわる金魚たち
金魚が泳ぐ不思議な「屏風」
球体の水槽が作り出す「アース・アクアリウム」
順路に沿って進むと今度は金魚の泳ぐ「屏風」が現れる。水槽の形をこう工夫する想像力には感心する。金魚が高さ2メートルほどの屏風の中で上を泳いだり、下を泳いだり。さらにここにプロジェクターで様々な文様が重ねられる。和、というよりもこれは驚きだ。水の循環を考えると実はいろいろと見えない工夫もあるのだろう、と推察するばかりだ。
会場にはディスカスもいた。アマゾン原産の淡水魚。円盤のような形なのでディスカス。実は僕も長いこと、この魚を飼っていた。特殊な生態を持つ魚で、熱帯魚の中でも人気が高い。しかし実際に飼ってみればわかるのだけれど、水質管理などの世話をきめ細かくする必要がある。なんだかここまで来て、苦労を推し量ることもないのだろうが、ここの管理も大変だろう。
最後にこだわりの空間がある。「アース・アクアリウム」と名付けられている。地球のような大きな球体の水槽があり、取り囲むように4つのサンゴ礁の浅瀬が用意されている。静かに覗き込んでいると魚が自然に暮らしている様子を見ることができる。サンゴ礁では人が近づくと逃げ込んでしまったり、威嚇したりとなかなか人のいない時の様子は見られないけれど、ここではそれが割とすんなり実現している。
見る前は正直、奇をてらった水族館かな、と思っていたのだけれど、そんなことはない。きちんと楽しませてもらい、きちんと学ばせてもらった。
坂井直樹