無料だけどハイクオリティ!「紙の新幹線」作ってみた

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   外は暑くてやってられない。でも、家にいてもすることがない――そんな人たちにお勧めなのが、ネットで無料ダウンロードできるペーパークラフトだ。工作の楽しさを味わえるし、完成品はちょっとした装飾品にもなる。実際に検索をかけてみると、虫や動物、乗り物など驚くほどたくさんの種類が公開されていることが分かる。中でも今回紹介する鉄道ペーパークラフトは「クオリティが高い」とネットでちょっとした話題になっている。

新幹線やSLの外観を巧みに表現

元が良いと誰が作っても様になる
元が良いと誰が作っても様になる

   この鉄道ペーパークラフトを提供するのはJR西日本。鉄道ファン拡大のため「より親しみやすい素材は何だろうか?」という発想から無料ダウンロード・サービスを行っている。

   サービスが始まったのは10年以上前の1997年。その当時、東京までの乗り入れが決まった「500系のぞみ」のペーパークラフトを公開したところ好評だったため、同年12月から様々な車両を扱うコーナーに発展したのだという。

   現在ダウンロードできる車両は40種類前後。最新の「N700系」をはじめとする新幹線やSL、寝台列車などが公開されている。車両だけでなく、レールや駅などの構造物、秋の山といった背景もあり、本格的なジオラマを作ることもできそうだ。

   量だけでなく、質も凝ったものになっており、全体的に可愛らしい外観でありながら車両の特徴がしっかりと捉えられている。特に各種SLでは複雑な形が巧みに表現されており、紙でこういうものもできるのかと感心してしまう。

   また、寝台特急の「サンライズエクスプレス」では、外観だけでなくベッドなどの内部構造まで再現するなど、細部へのこだわりが感じられる。

1日のダウンロードは約1000件

設計図はA4サイズ1枚だけ
設計図はA4サイズ1枚だけ

   こうした質・量が評価されて、2008年7月には1日当たりのダウンロード数が約1000件もあったという。今後も人気のある車両を中心に種類を増やしていく予定だ。

「作りがいのあるデキになっていると思うので、完成させたら飾ったり、人に見せたりして可愛がってくれたらなと思います。ペーパークラフトに興味を持ったら、次はぜひ本物に乗って下さい」

と広報担当者はアピールする。

   「ここまで書いたなら」とJ-CASTモノウォッチ編集部でもこのペーパークラフトを作ってみることになった。制作するのは、このサービスの"原点"ともいえる「500系のぞみ」だ。

   全部でパーツが5つしかないという、ペーパークラフト初体験のブキッチョでも何とかなりそうな車両だ。今回は、レーザープリンター用の厚さ0.19mmの紙とインクジェット用の0.22mmの紙を使って2台を作る。

ブキッチョ記者がペーパークラフトを作ってみた

JR西日本のサイトでペーパークラフトをダウンロードできる
JR西日本のサイトでペーパークラフトをダウンロードできる

   ダウンロードした設計図を印刷して、さっそく作業開始。といっても、最初は印刷された車両図の線の上をカッターでなぞっていくだけ。仕事場でペーパークラフトという組み合わせからか、同僚の記者がやってきては「図工、苦手だったでしょ?」とか「こうすれば良いんじゃない?」とか茶々を入れてくるが、これならブキッチョにもできる。作業は快調に進み、切り離したパーツに折り目もつけ、30分もすると残すは組み立てだけとなった。

   しかし、ブキッチョの本領が発揮されるのは組み立て作業からだった……。のりしろが小さいので接着してもすぐにはがれてしまうし、溝にパーツが上手くはまらない。挙句、ああだこうだしていたら、はめ込むところが折れてしまった。悪戦苦闘の末、1台目はテープの力に頼ることになった。ただ、この反省が活かされたのか2台目はすんなりと作ることができた。

   制作にかかった時間は1台目が1時間ほど。2台目になるとさすがに速くなって45分ぐらいだった。他の車両の設計図も見てみたが、SLと寝台特急を除けば、パーツ数が同じくらいなので、概ねこれぐらいの時間でできそうだ。

質の高いクラフトを手軽に作れるのが人気の秘密

   ペーパークラフトの人気サイトには、キヤノンヤマハ発動機など紙を何枚も使った精巧なペーパークラフトを提供するところもある。しかし、それゆえに制作時間は"日"単位になってしまいがちのようだ。

   その点、JR西日本の方は質がしっかりしている割に、紙2~3枚のシンプルなつくりとなっていて、所要時間も1~2時間程度。子供や工作が苦手な人にとって、とっつきやすい素材と言えるだろう。質の高いものを比較的手軽に作れるというのが人気の秘密ではないだろうか。

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