『RAP BEAT』
らっぷびと
QWCE-00054/1500円
2008年8月6日発売
EXIT TUNES
ミュージック・シーンにニューカマーとして登場してくる多くのミュージシャン、アーティストは多くの場合、コンテスト、オーディション、デモンストレーション(売り込み)、ストリートパフォーマンスなどなど、リアルな現場から登場してくる。それは音楽が商品として流通するようになってから(それがいつのことかわからない。商品としての音楽という線引きがどこにあるのかもわからないもので……)ついこの間まで変わらない形だった。
なにかのキッカケで1人のアーティストの音楽に惚れ込み、北海道や沖縄までわざわざ足を運ぶディレクターもまだ、いる。だが、音楽の流通の仕方がCDなどのパッケージメディアを必要としなくなり、音源入手の方法、楽しみ方が変化したのと同様、音楽を提供する側のありようも変化するのはやむをえない。音源のデジタル化という技術革命と、その制作・流通革命は、ミュージシャン、アーティストの有り様も変化させた。
最近ではネットという仮想世界で、多くのミュージシャンが誕生している。アニメのお姉ちゃんまでデビューしている。その中で最も今とも言えるミュージシャンが誕生した。 ネット上でトラックメーカーとラッパーがコラボして一つの作品を生み出す「ネットRAP」シーンという世界がある。そこから生まれた「らっぷびと」。まだ20歳のアマチュア・アーティストだ。
普通RAPPERはストリートから誕生するが、らっぷびとは仮想世界ともいえるネットから生まれた。「人として軸がぶれているらっぷ」はニコニコ動画で40万PVを記録したほか、YouTubeなどネット上で総計80万PVオーバーという化け物楽曲になった。小気味の良いリズムとタイトなRAPの連続は、あっという間に聴き終える。
リアルなストリート育ちのRAPPERとは違う有り様は、どうリスナーに評価されるのかはわからない。だが、こうした形で音楽が作られていくようになるということだけは、確かなことなのだ。
【RAP BEAT(らっぷびと) 収録曲】
1.WHEN THEY CRY
2.thrown The dice(feat.DC)
3.ありがとうのうた
4.素晴らしき絶望 零
5.クローバー
6.鼬ごっこ
7.アル晴レタ日
8.人として軸がぶれているらっぷ
9.WHEN THEY CRY(REMIX)
加藤普