蛍と戯れているような光と音 300個の「風鈴」企画展

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1か月で取り壊すのは惜しい

歓談する田川欣哉、坂井直樹、伊東豊雄の各氏(左から)
歓談する田川欣哉、坂井直樹、伊東豊雄の各氏(左から)

   タクラムは面白い集団で、僕も彼らからこのところいろいろ学ばせてもらっている。デザインとエンジニアリングをつなげて何かを生み出すのが彼らの手法で、なかなか同じような手法をとれる集団はない。2007年は21_21デザインサイトでの"water"展で「ふるまい」と「時雨」という作品を生み出していた(タクラムのサイトのポートフォリオの中にビデオがあるので、ご覧ください)。ここでも計算づくで彼らは感動をくれた。

   今回もきっちり計算しつくしている。全体から細部まで設計しなければならない建築家との仕事は、案外彼らには合っているのかもしれない。でも、300個に予備まで、全部手作りでハンダ仕事も自分たちですから、と田川さんは笑いながら予備機を見せてくれた。会場では見えないようになっているけれど、見えない部分の手作業も丁寧に、そして綺麗に作られていた。伊東さんも満足な様子。

   1か月で取り壊すのはなんとも惜しい展示だ。8月22日まで。ちょっと涼みに行かれることをお勧めする。人があまりわさわさと動かない静かなバーの天井がこんな作りになっていたら、さぞ気持ちいい時間を生むことだろう。

坂井直樹




◆坂井 直樹 プロフィール

坂井直樹氏
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。同年12月には、日常の出来事をきっかけにデザインの思想やビジネスコンセプトを書きつづった「デザインの深読み」(トランスワールドジャパン刊)を著した。

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