ペアで3万円の「個室型バルコニー席」を備えた豪華な映画館「新宿ピカデリー」が2008年7月19日、東京・新宿3丁目にオープンする。高級ソファーにもたれかかり、贅沢な雰囲気の中で映画が楽しめる。その発想のもとは高級ブランドのブティックにあった。
「白」を基調としたファッショナブルな外観
個室型のバルコニー席「プラチナルーム」。人目を気にすることなく泣いたり笑ったりできるのも魅力
「新宿ピカデリー」は、松竹が運営する都市型のシネマコンプレックス。11階建ての館内には合計10の大型スクリーンが設置されている。映画館のコンセプトは「真っ白なシアター」で、外観も内装も白を基調としたつくり。建物の正面はガラス張りでおしゃれな雰囲気だ。
映画はエンターテインメントであると同時に、ファッショナブルで洗練されたアートだ――という考えが発想の根本にはある。松竹・映画興業部の伊東森人副部長は、「新宿ピカデリー」を建てる際、高級ブランドの「ディオール」や「シャネル」のブティックを見て回った。バッグや靴のディスプレイの仕方が、まるで芸術品を飾るかのようだったと振り返る。
「映画館もそんなスタイリッシュな空間にしたいと思ったんです。ポスターや予告映像なども雑然と並べるのではなく、美術品のように陳列しています」