不格好で似つかわしくないワンセグ機能
軽量のSCシリーズにはGPS内蔵モデルが用意されている。
記事によれば、「機能面で(台湾メーカーとの)差異化を図る」のだという。その例のひとつとして挙げられているのがSXシリーズの「ワンセグTV視聴」。たしかにワンセグ機能は国内メーカーならでは、である。グローバル展開する海外企業が日本独自のワンセグのためにカスタマイズ製品を出すとは、現状、考えづらいからだ。工人舎はワンセグ搭載に積極的で、過去の製品でも上に突きだしたアンテナがアピールしていたものだ。
しかし、伸ばしたアンテナの見た目が不格好なのは置くとしても、メール・ウェブ中心の小型軽量低価格PCでテレビが見られることはたいして有り難くない。筆者の経験では、パソコンよりTPOが自由なワンセグ付き携帯電話でも、テレビが見られてよかったと実感したのは、せいぜい年に一、二度といったところ。筆者の目には、このワンセグはミスマッチなおまけに映る。
この製品に限らず、ワンセグの物珍しさも手伝ってか、携帯電話、パソコン、電子辞書まで搭載ブームになってしまった。一通り行き渡った今、ありとあらゆる携帯電子機器でユビキタスにテレビが見られる意味は何なのか――消費者、メーカーとも立ち止まって考えてみる時期ではないだろうか。
虎古田・純