「汚れが風合いに変わる」 丈夫で長持ち「帆布バッグ」

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ここにしかない正真正銘オリジナル

ミシンに向かう須田栄一さん。木綿の9号帆布、縫い糸はナイロン製。デザインによって布も糸もオリジナルの色に染める。
ミシンに向かう須田栄一さん。木綿の9号帆布、縫い糸はナイロン製。デザインによって布も糸もオリジナルの色に染める。

<ごきげんトート>に持ち手をつける。縫って折り返して、伸ばしたり叩いたり、ミシンと作業台を往復しながらの作業。
<ごきげんトート>に持ち手をつける。縫って折り返して、伸ばしたり叩いたり、ミシンと作業台を往復しながらの作業。

   もとより平織の帆布は、ほつれやすい。そのためヌイシロは多めに1センチ取り、中巻きテープで養生する。底を二重にしたり、力が掛かる部分をカンヌキ縫いで補強したり、見えない細部にさまざまな工夫がある。そうして丈夫で長持ちする、美しく面白い、かっこいい帆布のバッグが仕上がる。

「日常使うものだから、シンプルで普通のバッグがいい。帆布が他の布と違うのは、汚れが風合いに変わること」

   帆布も糸もオリジナルの染め色。ストーンウォッシュに見える帆布は、生地を傷めないバイオ加工だ。

   長年愛用されて、ぼろぼろになったバッグが修理に戻って来ることがある。縫い目をほどいてパーツに分解し、傷んだ金具や布を取り替え、補強し、また元の針穴の通りに縫い上げる。

「うちのバッグが単なるモノで終わっていないということだから、嬉しいですよ」

   いまでは人気の定番商品もあるが、型紙はほとんど残さない。人の真似をしないこと、常に変わり続けること。ここにしかない正真正銘オリジナルが、須田帆布の意地だと言う。

「住む。」編集部



住む。表紙
◆住まいと暮らしの雑誌「住む。」 http://www.sumu.jp/
住まいと暮らしに関するいろいろな知恵や工夫が学べる季刊の雑誌。昔から伝わる気候風土に適した知恵、あるいは現代の先端技術などの知識を提供し、ときには、食や衣まで含めて考える。また家から排出されるCO2の量を削減したり、ゴミを減らすことなども考慮した「住まい」を考える。住まいは、暮らしこみの姿であり、生き方の表現。この雑誌では、そうした住まいと暮らしに関わるさまざまな知恵や工夫、そして住まいの本質を「知ること」が愉しめる。発行・泰文館。

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