小林製薬の銀イオン入りトイレ用芳香消臭剤が公正取引委員会の排除命令が出た影響で、抗菌製品業界に混乱が広がっている。そこで、純銀入りの抗菌製品を生産・販売するミューファンなど34社は2008年6月20日、「銀イオン」の抗菌性に関する声明を発表した。
「銀および銀イオンそのものに抗菌性能がないわけではない」
ミューファンは純銀が練り込まれた食品保存容器を生産・販売している
小林製薬が販売するトイレの芳香消臭剤「銀のブルーレットおくだけ」と「銀の消臭元トイレ用」は、製品内の銀イオンでトイレが除菌されるかのような表示をしているがその除菌効果は認められないとして、6月12日に公正取引委員会から排除命令を受けた。
このニュースがマスコミで報道されたことから、「銀イオン自体に抗菌作用がないのではないか」と懸念した消費者からの問い合わせが、ミューファンにも多数寄せられたという。
しかしミューファンは、「銀および銀イオンそのものに抗菌性能がないわけではない」と説明。小林製薬の製品が排除命令を受けたのは、「銀の含有量が少ないため十分な効果がない」という点に問題があったからだとしている。
ミューファンによれば、「これまでの様々な研究成果の中で、必要量の銀イオンは細菌の増殖を抑える効果があることは、科学的に実証されている」。そして、同社が生産・販売する純銀を原料とした製品も、公的機関の試験で高い抗菌性能が実証されていると強調している。
小林製薬の排除命令については、抗菌製品メーカーで作る「抗菌製品技術協議会」も次のような声明を発表している。
「抗菌加工製品でも一定量以上の抗菌成分(銀イオンなど)が含有すれば抗菌性能は十分発揮することは科学的に証明されておりますが、ごく微量の抗菌成分しか含まれていない場合には抗菌効果が十分期待できないのは自明であります。一般の消費者、関係者はぜひこの点を十分ご理解いただきたいと思います」