無印良品で中空耐熱グラスを見つけた。折角なので、ビールを注いだ写真をご覧いただきたい。350mlの缶ビールがここにちょうど入る。中空だから外に水滴が付かない。保冷もできる。これは便利だ。これで499円というのも頑張っている。ビールを注ぐととてもいい形も見えてくる。
「無印らしさ」を保たないと客は去ってしまう
中空グラスだから、ビールを注いでも外に水滴が付かない
なるほど、とまず思った。それから、どうしてこの利点を即座に自分がわかったのかを考えた。携帯電話やパソコンが今ではいつもテーブルに載っていたりしている。日常的に水滴に気を使わざるをえない生活を僕たちはしている。そこで、こうしたグラスが登場した。
実はこのグラスを僕のスタッフの1人が買って便利だと言っていたところで、見てみたいね、買ってきてよ、と言ったら、渋谷の無印良品では売り切れ、有楽町の店でようやく手に入れることができた。
1年ほど前に良品計画の金井政明専務と対談する機会があった。その時、金井さんは「無印らしさ」をきちんと保たないとお客さんは去ってしまうという危機感を常に持っていると話されていた。
このグラスのような「なるほど」と感じるものこそ無印らしさなのだろう。無印をミニマリズム(最小限主義)と誤解される危険は特に大きい。使い勝手を想起させる何かが加わっての「無印らしさ」を探していかねばならない。無印の商品開発はけっこう大変な作業だということがわかる。
坂井直樹