「ブラウザ戦争」が面白い 帝国に挑む「炎のキツネ」

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   インターネット・ブラウザソフトの「Mozilla Firefox(ファイアフォックス) 3」が日本時間の2008年6月18日にリリースされる。リリース日には「24時間のダウンロード数世界一ソフトウェア」のギネス記録に挑戦する企画が用意され、参加(ダウンロード)の意志を示した人は6月13日までに世界中で110万人を突破――。

   デジタル系メディアではそこそこ注目を集めるニュースだが、一般にはほとんど知られてないかもしれない。今回は「Firefox」などの「第三のブラウザ」勢を取り上げてみたい。

マイクロソフト帝国の勝利で終わった「ブラウザ戦争」

公式サイトからFirefox 3のテスト版がダウンロード可能(右側の「3」と書かれたバナー)
公式サイトからFirefox 3のテスト版がダウンロード可能(右側の「3」と書かれたバナー)

   「Firefox」を語るには、ちょっとしたサーガ(物語)と感傷が付き物である。そのルーツは90年代にマイクロソフトのブラウザ、Internet Explorer(インターネット・エクスプローラー、IE)と壮絶なシェア争いを繰り広げたNetscape Navigator(ネットスケープ・ナビゲーター)に遡る。

   90年代の半ばにはNetscapeが独占的なシェアを誇っていた。しかし、その地位を生かして、さまざまなビジネスを試みても、結局はうまくいかない。そうこうするうちにIEが圧倒的な物量作戦で巻き返してきて、肝心のシェアも逆転されてしまう。オンライン書店のAmazon.comなどがブラウザの中で花を咲かせるのを横目に、Netscapeは零落していった。08年2月をもって開発とサポートが終了し、その歴史は完全に幕をおろした。

   こうしてブラウザ戦争はマイクロソフト(IE)帝国の勝利で終わった。Netscapeを追い上げていたころのIEは技術面でも長足の進歩があったが、今世紀に入って競争相手がいなくなり、ブラウザで金は儲からないとわかれば、当たり前のように進化は停滞。ブラウザ暗黒時代の到来である。

虎古田・純

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