一台ですべてをカバーできるという幻想
ソフトバンクモバイルが発売するのは、間もなく発表される通称「3G iPhone」と呼ばれる新機種と見られている。現行機はGSMという国内で使えない通信方式だったが、新型はその名の通り3G(第3世代携帯電話)方式を採用する。
その他の変更点として、薄型化や、バッテリーの強化、PDA機能の付加などがネット上のニュースサイトなどで噂に上っている。筆者の経験上こうした噂はかなり当たるし、iPodの進化過程から見ても順当なところだろう。つまり大きな変更はなさそうということだ。
それを前提とした場合、iPhoneは国内の携帯電話としては使いづらく、「ケータイ機器」をiPhone一台に集約するのには無理があるかもしれない。ワンセグやおサイフケータイ(FeliCa)、バーコード読み取りなど、日本では当たり前とも言える機能が、おそらく搭載されないのである。
またインターネットやアプリケーション部分についていえば、Eee PCをはじめとする低価格小型ノートパソコンが台頭してきている。これらは全面的でないにせよ、iPhoneのライバルになるだろう。
筆者にしてみると、現在のiPhoneが夜も眠れないほどインパクトのある巨大な蒸気船だとはなかなか思えない。少し前に売れていたハリウッドのイケメン俳優で、これから日本でも少しは人気が出るのかなあといった感じで見ている。
虎古田・純