「多喜二虐殺に匹敵する事件」 蟹工船ブームでマンガも売れる

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「小説で挫折してしまう人」はマンガ版で

『マンガ蟹工船』。虐げられる労働者の姿がリアルに描かれている
『マンガ蟹工船』。虐げられる労働者の姿がリアルに描かれている

   しかし、昭和初期に書かれた『蟹工船』は、その時代特有の言葉使いや方言も多用され、とっつきにくい面がある。そこで「入門用に」とマンガ版も発売されているのだが、こちらの売れ行きも好調だ。

   『マンガ蟹工船 30分で読める…大学生のための』と題されているこの作品。2006年11月に発売されたもので、小林多喜二の資料収集を行っている白樺文学館多喜二ライブラリーが企画・編集した。これまでに2万部刷り、5月には5000部の増刷が決定している。

「小説では最初の10ページが難しく、そこで挫折してしまう人が多いので、マンガ版には注も付けました。マンガ版から小説に入ってくれればと思います」

と、白樺文学館多喜二ライブラリーの佐藤三郎さんは話す。

   全部で160ページほどのこのマンガ版。『蟹工船』のストーリーをほぼ忠実になぞった内容となっており、地獄のような環境で働く労働者たちの姿を劇画調のリアルなタッチで描いている。mixiやamazonのレビューでは、

「さすが漫画。 ほんとにさらっと読めます。」
「30分で読める・・・というだけあって一気に読めました。 以前に原作を読もうとしたのですが、10ページも読まないうちに挫折していました」

などの書き込みが多く、独特の文体で読みにくい『蟹工船』もマンガにすると入りやすいようだ。また、巻末には14ページに及ぶ詳しい解説がついており、単なる「初心者向け」ではない一冊になっている。中国でも発売する予定で、現在、中国語版を製作中とのことだ。

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