乾電池式はもう古い? 「ケータイ充電器2.0」登場

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   外出先でケータイの電池が切れて、待ち合わせの人と連絡が取れなくなってしまった。そんなピンチを救ってくれるのが、コンビニで売っている「緊急用充電器」だ。これまでの主流は乾電池が入った「使い捨てタイプ」だったが、繰り返し使える「充電タイプ」が新たに登場し、注目を集めている。

500回使える「ケータイ用充電器」

ケータイの電源接続ジャックにつないで使う「緊急用充電器」
ケータイの電源接続ジャックにつないで使う「緊急用充電器」

   新しいタイプのケータイ専用充電器「ポケットチャージー」は、家電製品を製造・販売するアスコジャパン(名古屋市)が開発した。

   100円ライターの3分の2ほどの長さの小さなケースの中には乾電池ではなく、「次世代型電池」と呼ばれるリチウムポリマー電池が入っている。乾電池式と違って、繰り返し充電できるのが特徴だ。

「500回ほど充電できるので経済的ですし、環境にもやさしい製品です」

とアスコジャパン事業推進本部長の深澤直喜さんは胸を張る。

   重量が22グラムと軽いのもセールスポイントの一つ。乾電池式の充電器だと、単3電池2本を入れるタイプでも約60グラムある。その3分の1ほどの重さだ。携帯ストラップとして、本体にぶら下げて持ち運びできるほどだ。

   使用するときは、ケータイの電源接続用ジャックに、ポケットチャージーの挿し込み口をつなぐ。店頭では「充電済」の状態で売られているので、買ってすぐに使うことができる。小さくて軽いため、乾電池式に比べると充電容量は少なめだが、それでも約90分間は連続で通話できるという。

次世代型「リチウムポリマー充電池」を採用

携帯ストラップとして持ち運べるほど、小さくて軽い
携帯ストラップとして持ち運べるほど、小さくて軽い

   アスコジャパンは約1年かけて、この新しいケータイ充電器を開発した。リチウムポリマー電池を使った最新型。一番苦労したのは安全性だった。

   リチウム系の充電池は高い密度のエネルギーを蓄えられるため、ノートパソコンや携帯電話の内部バッテリーとして活用されているが、液漏れや発火などの事故も起きている。いかにして安全性を確保するかは大きな課題だった。

「携帯電話は同じキャリアでもさまざまな機種が出ているので、それぞれの携帯電話で問題がないか、1つ1つ確かめるのが大変でした」

   リチウム系充電池として現在主流のリチウムイオン電池ではなく、リチウムポリマー電池を採用したのも、安全性を考慮したためだ。

「リチウムイオン電池は電解質として液体を使用していますが、リチウムポリマー電池は半固体状のポリマー樹脂を使っています。そのため、液漏れの心配がありませんし、膨張や発熱といった危険性も低くすることができます」

と深澤さんはリチウムポリマー電池のメリットを説明する。

   さらにポケットチャージーでは、発熱などの危険を防止するため、IC回路によって電流や電圧、内部温度を制御するようにしている。たとえば、一定の温度を超えると保護機能が働いて、充電が止まるように工夫した。

年間2000万個の「ケータイ充電器市場」を狙う

ケータイ本体と充電器をドッキングさせて、同時に充電できる
ケータイ本体と充電器をドッキングさせて、同時に充電できる

   アスコジャパンがソフトバンクの認定企業になっていることもあって、ポケットチャージーは、すでにソフトバンクの一部のケータイショップで販売されている。

   だが、ケータイ充電器の最大の販路はコンビニエンスストアだ。アスコジャパンによると、ケータイ用の緊急充電器は年間2000万個販売されているが、その9割がコンビニでの販売なのだという。

   ポケットチャージーも2008年5月上旬からは、最大の販売チャネルであるコンビニに進出する。まず、首都圏・関西圏のサークルKサンクス約750店の棚に並ぶ。さらに、ポプラやam/pmなど他のコンビニでの販売も検討中で、「全国展開」に向けて布石を打っているところだ。

   コンビニでの販売価格は1個1980円。ライバルの乾電池型は1000円以下が多いから、やや割高となる。しかし、深澤さんには勝算がある。

「最近は環境意識の高まりで、使い捨てタイプの取り扱いをやめるコンビニもでてきています。乾電池を交換するタイプでも、使い終わった乾電池を捨てなければならない。その点、何回でも使えるポケットチャージーは『エコ』という意味で優位に立てるはずです」

   コンビニのバイヤーが実際に使ってみて「これなら買うよ」と言ってくれたのも自信になった。初年度の販売目標は100万個。主なターゲットは、営業マンや中高生などケータイのヘビーユーザーだが、認知度が上がればもっと裾野が広がると期待している。


   ※「ポケットチャージー」の最新価格情報
      http://price.j-cast.com/keyword_search/?keyword=%A5%DD%A5%B1%A5%C3%A5%C8%A5%C1%A5%E3%A1%BC%A5%B8%A1%BC

姉妹サイト