「マスコットなのにかわいくない」として話題になった奈良の平城遷都1300年祭のマスコットキャラクターの名前が、「せんとくん」に決定した。2008年4月15日の発表では名前とともに新ポーズも公開され、新たな評判を呼んでいる。
「寝そべるポーズ」や「歩くポーズ」も登場
考えるポーズは古畑任三郎のマネ?
平城遷都1300年記念事業協会が公開した新ポーズは、「寝そべる」「歩く」「考える」「ばんざい」など12種類だ。「寝そべる」はせんとくんが右ひじをついて横になっているポーズ。また「歩く」は今はやりのウォーキングのような姿勢で、せんとくんが元気よく歩きながらこちらを向いている。「考える」ポーズでは左手の指をコメカミにあてていて、田村正和さんが演じた古畑任三郎を思わせる。
いずれも最初に発表された「せんとくん」のイラストよりも動きがあって、楽しげな感じが伝わってくる。せんとくんのイラスト画像をパソコンのデスクトップに使っている、という吉野大助さん(仮名、IT企業勤務の30代)は
「いろんなポーズを見ていると一層、愛着がわいてきます。デスクトップのバリエーションも広がって楽しいですね」
と喜んでいる。
しかし、名前の発表後にYahoo!の「意識調査」で「見慣れてきた今、改めて見るとどう思う?」と聞いたところ、約6割が「まったく良くない」と回答。あいかわらず世間の逆風は強いようだ。
「カスガシカオ」や「バンビーマル」は選ばれず
仏陀の涅槃像を連想させる「寝そべるポーズ」
「ダイエット中のところ、すみません」と声をかけたくなる?
事業協会の発表によると、マスコットの名前募集への応募件数は1万4539件。その内訳は、「鹿」をベースにしたもの(6401件)、「奈良」に注目したもの(4084件)、「仏」を中核にしたもの(3328件)などさまざまだった。その中で、もっとも多かった名前が「遷都」にひっかけた「せんとくん」だったという。
「せんとくん」(337件)についで多かったのは「ナントくん」(292件)。次いで、「ブッカ」(265件)、「鹿坊」(248件)、「しかぶつくん」(154件)という結果だった。変わったところでは、「カスガシカオ」「あをに@ヨッシー」「バンビーマル」「笑鹿(わらし)」なんてのもあった。
「せんとくん」という名前は、平城遷都1300年祭の趣旨に合致し、耳から入ってくる語感もよく、国際的にも呼びやすいということでマスコットの正式名称に選ばれた。
それを受け、マスコットの作者である彫刻家の籔内佐斗司さんは次のようなコメントを発表した。
「ようやく『あの子』に素敵な名前を付けて頂いてたいへん嬉しく思っています。産みの親としましては、彼がこれからちからいっぱい平城遷都1300年祭のお役に立ってくれることを願っています」