ダイヤモンドの内部世界をイメージした内装
店内はダイヤモンドの内部世界のイメージだという
扉の、手で触れるところは長方形のステンレス。そこに小さな三角のくぼみが刻まれている。輝くダイヤモンドのようだ。扉からは店内がすっきり見える。開ければすぐそこに新作コレクションが置かれている。店の人ともすぐ顔が合う。一見入りやすいようで、これはなかなか敷居が高い。この敷居の高さの演出こそ、高級ブランドの証しだ。
店内に入ってすぐ、円を作るように並んだディスプレイカウンターがある。カウンターもダイヤモンドのカットを思わせる台と脚で構成されている。内装は白と黒とガラスのみで構成。黒い壁には光の芸術家、田原桂一氏の作品が異彩を放っている。内装を担当したフランスの若き建築家、クリストフ・カルペンテ氏によるもので、ダイヤモンドの内部世界をイメージしたものだという。
気がつくのは、確かにダイヤモンドのカットがインテリアデザインのすべてに行き渡っているということだ。結果として白い光だけの世界なのだ。「このディスプレイカウンターには鍵も取手も見えませんよね。実はガラスが可動式なんです」と、取材で来ていると知っている店の人が通りすがりにさっと教えてくれた。細かなところにも驚きがある。
坂井直樹