「出産祝いのお返し、何を送ろうか・・・?」。意外と難儀するお返し選び。最近、ユニークさと実用性を兼ね備えた「ある商品」が人気を集めている。
「赤ちゃんを抱っこした時と同じような感触」
「好味屋(よしみや)」が販売している「抱きごこち」
その商品とは、赤ちゃんが生まれたときの体重と同じ重さの「お米」。赤ちゃんの体重にあわせて1g単位で調整した米をギフト用に販売しているのだが、商品名は「だっこ米」「抱きごこち」など、販売会社によっていろいろだ。
例えば、アルタシステムが運営する通販サイト「阿波の産直便」(徳島県海陽町)が販売している「だっこ米」。赤ちゃんの体重にあわせた米を詰めたパッケージには、赤ちゃんの名前や体重、写真が掲載される。同社のホームページの注文フォームから赤ちゃんの写真を送ると、オリジナルの「だっこ米」を贈ってくれる。受け取った相手には「赤ちゃんを抱っこした時と同じような感触が味わえる」と好評だ。
この「だっこ米」は、楽天市場の「出産祝い・ギフト」セクションで2008年2月に毎週1位を獲得するほどの人気だった。販売数について、社長の丸岡一洋さんは「ゼロからのスタートだったが、最近では、月に1000個近くがでている」と話す。
抱きやすいように、さまざまな工夫を
「抱きごこち」を抱えるとこんな感じ。高さ30センチほどの大きさ
福岡県北九州市の「好味屋(よしみや)」が販売する「抱きごこち」は、抱きやすいように袋の上部に丸みをもたせているのが特徴だ。
「ふつうの四角い袋だと、抱いたときに上部に空間ができてしまうんですよ。そのあたりを工夫しています。名前のとおり『抱きごこち』にはこだわっています」
と、店長の小野成生さんは工夫の理由を語る。さらに形を整えるため、袋の大きさは米の重さ50g単位ごとにとりかえているという。
また、好味屋では店頭で「抱きごこち」の見本品を置いている。ユニークなデザインは普通のお米を買いにきた客の目もひく。
「店頭に来たお客さんも思わず抱いてしまうみたいです。『たかいたかい』をして、盛り上がることもありますよ」(小野さん)
「遠方の両親に孫の重さを届けられました」
好味屋のホームページ内にある「お客様の声」コーナーには、実際に購入したお客さんのコメントや商品の感想、写真が掲載されている。「デザインがいい」「レイアウトがかわいい」と人気だが、それ以上に、赤ちゃんのさまざまな表情がかわいらしい。
阿波の産直便のサイトにもたくさんのレビューが寄せられている。「遠くに住んでいる両親に孫の顔と重さを届けられました」という具合に、遠方の家族・親戚に喜ばれているようだ。遠くにいると、実際に赤ちゃんを抱けないから、「赤ちゃんてこんなに軽いのか!」あるいは「こんなに重かったっけ」という嬉しい驚きがあるのだろう。