横行する「ネットダフ屋」は「エージェント2.0」なのか?

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ネットダフ屋のおかげで需給調整!?

aucfan.comなどでのサイトで「相場」がわかる
aucfan.comなどでのサイトで「相場」がわかる

   ネットの音楽系掲示板では、コンサートが近づくと、しばしばネットダフ屋(ダフオクなどとも呼ばれる)をめぐって激しいやりとりが交わされる。

   転売目的でのチケット購入と公共の場所での販売は地方条例で禁じられている、本当に必要な人にチケットが渡らない、転売でイージーマネーを得ているなどの批判がある一方、"悪者"視する必要はないという意見もある。

   その理由のひとつとして、ネットのチケット売買では、売り手買い手がヤフオクに一同に介しているため、相場が明確で、売り手間の競争も生じるという点が挙げられる。むしろ、ネットダフ屋のおかげで需給がうまく調整される――と、その役割を積極的に評価する向きもある。

   たとえば、たいていのコンサートなどでは、席種の区別はせいぜい2、3種類だ。席(場所)は、ほぼ抽選のような形で決まる。同じお金を払っても、一人はTOSHIの目の前にいて、もう一人は前の観客の頭しか見えないといった事態が起こりえるのだ。

   いくらカネを払っても良い席でみたい人もいれば、値段が安ければ悪い席でも構わない人もいる。ネットオークションでは、ステージがみづらい、いわゆる"悪席"は公演が近づくにつれて価格が暴落していく傾向がある。X JAPANの場合も、チケットが届きはじめ、座席の位置が判明すると、悪席は定価の数分の一で取引されるようになった。ダフ屋にもリスクがあり、必ずしも儲かるとは限らないわけだ。

   こうして見ると、ダフオク屋は万人参加のネット時代ならではの「代理店」、いわばエージェント2.0だと言えなくもない。「みんな」の自由競争市場で売買して、なにが悪いのか――。

虎古田・純

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