ネットに「体験知」集めた「図書館」を! ブログウォッチャー社長インタビュー

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「2ちゃんねる」の情報を取りにいくのは最後

「デュアリス」で検索すると「いい」「かっこいい」「欲しい」といったユーザーの声がまとめて表示される
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――「クチコミ検索」に対して消費者の動きはまだ鈍いということですが、企業のほうはどうですか?

羽野   いろんな企業と話をさせてもらっていますが、企業のほうは、だいぶ揺らぎ始めているという感じです。企業の中には、消費者のクチコミ情報を重視する会社も増えていて、ポジティブな情報があればネガティブな情報もあるのが当たり前だと思い始めています。

   1年前に会社を立ち上げた当初と今では、企業の対応が大きく違います。立ち上げた当初は、全然だめだったんですが、今は引き合いが多くて、忙しすぎるくらいです(笑)。2007年は、偽装の問題とか、消費者の声を無視したような企業の対応が批判されまくったので、企業としても、消費者の声と正面から向き合う必要があると考えるようになってきたんですよね。

――でも、ネガティブな情報も含めて消費者の「生の声」を集めるといっても、そのすべてを見せるわけではないんですよね?

羽野   企業にとってネガティブな情報も載せるようにしていますが、「死んでしまえ」とか「こんなの腐っている」といった人を不快にさせる表現や卑猥な言葉、暴力的な単語や差別的な単語が入っているブログは落とすようにしています。

   また、ただ単に新聞記事をコピペしただけのような、体験や評価が入っていないものは載せていません。なので、何百万PVもあるような、有名なアルファブロガーのサイトでも取り上げていないものは結構あります。アルファブロガーは評論ばっかりしていて、体験談が少なかったりするので(笑)。

   結局、いろんなブログやQ&Aサイトや掲示板を回ってストックした「クチコミ情報」のうちの8、9割は捨てています。そうすることで、やっと企業とのコラボレーションができるようになるんです。

――掲示板の情報も拾っているということですが、「2ちゃんねる」はどうなんですか?

羽野   技術的には取れるのですが、実際に使えるのが1%とかなので、今は取りに行っていません。経営戦略的にみて、使えるデータが少ないところを回っても非効率だということです。1000件のカキコミがあってもアスキーアート(文字や記号で描いた絵)ばかりだったら、捨てるだけなので。

   なんというか、「砂金を探す」みたいな感じですね(笑)。一粒の砂金を得るためにすごく掘らないといけない。だったら、その前にほかの金鉱を掘りにいったほうがいいんじゃないか、ということです。まあ、うちのリソースしだいではありますが、2ちゃんねるを取りに行くのはたぶん最後になるんじゃないかと思います。
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