ネットに「体験知」集めた「図書館」を! ブログウォッチャー社長インタビュー

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スペック情報だけでは商品を選べない時代になった

ブログウォッチャーが運営するクチコミ情報サイト「SHOOTI」
ブログウォッチャーが運営するクチコミ情報サイト「SHOOTI」

――やたらと詳しいスペック情報があっても、かえって分かりにくいというのもありますよね。

羽野   そうなんですよ。企業が一方的に発信しているスペック情報だけでは、もう消費者は選べない時代になっているんです。そこで、商品に対するクチコミや評価を参考にしたくなるわけです。たとえば、エクストレイルのクチコミを見ると、「いい」とか「やばい!!」とか「無骨な」「アクティブ」みたいな言葉が出てきます。

   逆に、デュアリスだと「かっこいい」とか「重苦しくない」「シティユースメインで」となっている。こうやって比べると、エクストレイルは「無骨」で男性的な感じで、デュアリスは「重苦しくない」都会的な感じというのが、なんとなくわかる。そうすると、「あ、なんかこっちのほうが自分にあっている」と判断できるようになる。

――企業の情報だけでなく、消費者の「評価」や「体験」も一緒に見せていく、と。

羽野   これからは、企業の「発信情報」と消費者が作る「世論」の間に立って、両方見せてあげるメディアだとか、プレイヤーが必要なんじゃないかと思うんですが、この「ハブ」となるプレイヤーをぼくらは狙っているんです。企業側と強い接点があるリクルートと電通の強みと、我々ブログウォッチャーが拾い上げたクチコミ情報を融合して見せてあげれば、非常に強力な情報になるんじゃないかと思っています。

――会社のパンフレットには「The Library, experiential knowledge accumulated(体験的な知識が蓄積された図書館)」というキャッチフレーズが記されていますね。

羽野   我々のコンセプトとしては、体験知や経験知を集積した「図書館」みたいな場所になりたいなと思っています。ある商品やサービスについて、ほかの人の体験談や経験談が知りたいなあとなったら、簡単にそのクチコミ情報を借りに来られる場所になればいいな、と。「デュアリスを買いたいなあ」と思ったら、デュアリスを買った人の意見とか体験がパッと見ることができて、簡単に「疑似体験」できるような場所でありたい。そう考えています。

――そんな「図書館」があったら、たしかに面白いですね。

羽野   コンセプトには共感してもらえることが多いんですよ。でもまだ、実際にビジネスとして動かすのはかなり大変で……

――なにが問題なんですか?

羽野   実は、消費者の間では「クチコミを検索する」というニーズがまだ弱いんですね。今後はクチコミ情報に対するニーズが広がってくると信じていますが、まだそれほど強くないというのが実際のところです。今はまだ「将来の爆発」に備えて、サービスを育てている段階です。

――ブログウォッチャーさんのクチコミ情報サイト「SHOOTI」にアクセスしてみたのですが、どうやって使ったらいいのか、正直なところよく分かりませんでした。

羽野   残念ながら、そう思われても仕方ないですね。さきほど「クチコミを検索する」と言いましたが、その検索する方法は、Googleみたいな「検索窓の形」じゃないような気がしています。たとえば、携帯電話を商品にかざすとクチコミ情報が表示されるというような検索行動のほうが、われわれには向いているんじゃないかと思っているんですよ。
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