『桑田さんのお仕事 07/08 ~魅惑のAVマリアージュ~』
桑田 佳祐/3月12日発売
初回限定盤(プレミアム・マリアージュ・コレクションパッケージ)/VIZL-500
通常盤/VIZL-501
いずれも5775円
タイシタレーベル/スピードスターレコーズ/ビクターエンタテインメント
初めて桑田佳祐と会った日のことを、今でも鮮明に覚えている。
ちょうど30年前、当時ロック雑誌の編集に携わっていたのだが、渋谷公会堂(現在の渋谷C.C.Lemonホール)近くを歩いている時に、当時のビクター音産の敏腕ディレクター氏とばったり出会った。彼は1人ではなく、背は高いけれど学生風の、本当に普通の青年と連れ立っていた。
ディレクター氏と仲が良かったこともあって、ちょっとお茶でもしようと、近くにあったピザレストラン「シェーキーズ」に入った。当時はまだできたばかりのピザ専門店は、若い人たちで混雑していた。ちょっとお洒落な空間だったのだ、当時は。
そこで、ディレクター氏に「ヤマハのコンテスト出身の、今度うちでデビューすることが決まったバンドの桑田君」と紹介された。なにを喋ったかまでは記憶にないが、1時間ほどピザを食べながら話をした。ディレクター氏は「絶対にいける!」とバンドの将来を確信している風だった。
実は、あれから30年という時が経ているはずなのに、桑田の印象はその時のままなのだ。なにか捉えどころのない感じ……。でもきっちりしたオーラは感じるとでも言えば良いのか。
それにしても凄いアーティストになった。見上げるようなビッグ・アーティスト。今回のDVD+CD『桑田さんのお仕事 07/08 ~魅惑のAVマリアージュ~』という作品が、その事を如実に証明している。もちろんワンナイトライブやツアーライブなどで、ある時間を切り取った作品を出す事はあるけれど、1人のアーティストのたった1年間の活動を、そのまま作品化してしまうというのは、そうそうない。
それだけの質・量を伴った活動があったということだし、活動のクオリティーも高かったということなのだ。下のCD収録曲を見れば分かるとおり、07年発表のシングルはほとんどがタイアップであり、それも一流どころ(企業)とのコラボだ。
筆者にとって桑田の音は、30年という時間も無関係の、なにか長年連れ添った女房のようなものになりつつある。
【桑田さんのお仕事 07/08~魅惑のAVマリアージュ~ 収録内容】
DVD
☆横浜アリーナでの"桑田佳祐LIVE TOUR 2007 呼び捨てでも構いません!「! よっ、桑田佳祐」SHOW"ファイナル公演、全28曲を完全収録!!
CD
☆2007年発表の、オリコン1位となった3枚のシングル(含カップリング曲)10曲すべてを収録、さらに新曲1曲、原由子の「大好き! ハッピーエンド」の全12曲を収録。
加藤普