「腐女子=知的な女性」というイメージも
腐女子のガイドブック「腐女子の品格」の特設サイト
「腐女子」をテーマにしたコンテンツビジネスはネットだけにとどまらない。08年1月から2月にかけては、テレビ朝日が土曜ミッドナイトドラマ「腐女子デカ」を放送した。腐女子であることを隠して警察官になった主人公が、「腐女子の妄想」をもとに難事件を解決していくストーリーだ。6月のDVD発売も決まった。
「腐女子デカ」は非腐女子が「外から見た腐女子」を表現したドラマだったが、腐女子が自ら描いた「腐女子モノ」もある。リブレ出版は08年1月10日、「品格ある腐女子」になるための指南書「腐女子の品格」を発売した。腐女子が自ら筆をとったということだが、発売の5日後に増刷が決定されるなど好調な売り上げを記録している。
また、「腐女子=ボーイズラブ(BL)好き」という本来の定義からは離れるが、オタクであることをウリにデビューした自称「ヲタドル(オタクなアイドル)」ユニットもある。「中野腐女子シスターズ」だ。06年9月に結成され、メンバーにはガンヲタ、鉄ヲタなどが顔を揃えている。
勢いを増す「腐女子ビジネス」について、アニメやゲームなどのサブカルチャーに詳しいITライターは次のように分析している。
「かつては『腐女子』というと軽蔑的な響きがあったが、最近はむしろ『文化の深いところを知っている知的な女性』というポジティブなイメージも帯びてきている。このような『腐女子のカジュアル化』の背景には、オタク文化に乗り遅れたくないという今の若者の風潮があるのだと思う。腐女子ブームでボーイズラブがものすごく売れているという印象は薄いが、そこから派生するオタク市場は盛り上がってきていると感じる」