神田に登場した「羽根つきたい焼き」
外に出っ張った皮がこうばしい「羽つきたい焼き」
一方、「羽根」がついているユニークなたい焼きもある。「たいやき神田達磨」(東京都千代田区)が販売するたい焼きがそれ。3種類の粉と卵、砂糖を混ぜ、独自の焼き型に流し込んで焼く。タイの形の外縁にはみだしたパリパリの皮が特徴だ。
たい焼きの周りの皮が羽根のようにみえるため、いつのまにか「羽根つきたい焼き」と呼ばれるようになった。学生街に近いせいか大学生に人気だそうだが、サラリーマンやOLの注目も集めている。
「羽根」がついている理由について、
「もともと、パリパリの薄皮にあんこが詰まったたい焼きが好きで、パリパリ感においしさも加えれば、あんことのバランスもよくなると考えた」
と創案者の林泰広さんは語る。
「キワモノ的な扱いをされるのが嫌だったし、最初は不安もありました」
と語る林さん。あくまでもホンモノ志向にこだわり、受けをねらって「羽根」をつけたわけではないと強調する。
なつかしの「およげ!たいやきくん」が33年ぶりに再発売された
ところがいまや、斬新な「羽根」をつけたデザインで、行列ができるほどの人気ぶりだ。1日の売り上げが2000個というヒット商品になっている。
「今川焼きは、丸い形が特徴だが、せいぜいあんことクリームをかえるくらいで、形そのものを変えて売るのは難しい。それに対し、たい焼きは、お客の好みをみて形や色で変化がつけられる。創意工夫の余地がある商品で売り上げにむすびつけやすい」
店の工夫しだいでいくらでもバリエーションが広がるのが「たい焼き」というわけだ。