現行DVDでの「ハイビジョン録画」を可能にする新エンコーダー
松下の「DIGA DMR-XP12」は「H.264/AVC」搭載の低価格機種。実売5万円程度
今冬から、松下(パナソニック)やソニーの「H.264/AVC」エンコーダーを搭載した機種の普及が進みつつある。ブルーレイ録画機の多くは10万円前後するのに対して、H.264/AVC方式は5万円程度の非BD機でも採用されるなど、いまが"旬"の臭いが漂っている。
詳しい説明は省くが、H.264/AVCは従来の録画方式であるMPEG2よりも圧縮効率がよい。したがって、松下の宣伝によれば、H.264/AVCでは、画質をさほど損なうことなく「フルハイビジョン放送を(最大で)4倍長く録画」できることになる。
気になるのはDVDでの中途半端な録画時間(松下の場合、一層DVD-Rで約1時間40分)と互換性の点。前者については、BDよりは安い二層DVDを使えば約3時間確保できる。また、ブルーレイ陣営で策定された「AVCREC」規格に基づいており、ある程度の互換性、継続性は担保されそうだ。なにより、デジタル放送はHDDの容量イーター。それを抑えられる意味は小さくない。
いまDVDレコーダーを買うならば、次世代規格よりずっと地味――でも、リーズナブルな価格ですぐに役に立つ技術に注目したい。
虎古田・純