「ミスマッチ」だから楽しい! 左右バラバラ「靴下」大人気

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   靴下といえば、左右で同じものを履くのがふつうだ。ところが、左足と右足で色も柄もぜんぜん違う靴下を履く・・・そんな奇抜で不思議なファッションがはやっているらしい。仕掛け人はアメリカ生まれのソックスブランド「リトルミスマッチ」だ。

「柄違い3枚セットで売れば、面白いビジネスになる」

左右別々の靴下を履くのがはやっている
左右別々の靴下を履くのがはやっている

   「リトルミスマッチ」では、色や柄がまったく違う靴下を「3枚」組み合わせて売る。3足ではない。3枚だ。たとえば、(1)白地にカラフルな水玉模様、(2)白地にカラフルな星マーク、(3)カラフルなボーダー、とデザインが異なる3種の靴下がそれぞれ1枚ずつセットになっているといった具合だ。

   この商品、生まれはアメリカのサンフランシスコ。2003年にリトルミスマッチ社が色・柄ともに違う靴下を3枚セットで売り出したのが始まりだ。日本では、販売権を獲得したミスマッチジャパンが、07年から雑貨ショップ「プラザ」などで販売している。渋谷や原宿の女子中高生や、「赤ちゃん用に」と買い求めるお母さんの人気を呼んでヒット商品となった。男性の購入者も少なくないという。

   それにしても、「靴下は同柄2枚セットで売る」という常識を覆す商品を、なぜ売り出したのか。ミスマッチジャパンの佐藤禎之社長は次のように話す。

「アメリカで、ディズニーのマーケティング担当者とアパレルメーカー社長など3人が話しているとき、『靴下が破れたらすぐに捨てるのはもったいない』という話になりました。3人はスペアを入れて3枚セットで売ることを考えましたが、『なんで同じ柄じゃなきゃいけないの?』という疑問が生まれたそうです。そこで、『柄違い3枚セットで売れば、おしゃれだし、おもしろいビジネスになりそうだ』と考えたことから会社を設立し、商品の発売に至りました」

「知育」にも役立つ!? 「ミスマッチ」な靴下

3枚1セットの「リトルミスマッチ」の靴下。違うデザインでもバランスが取れている
3枚1セットの「リトルミスマッチ」の靴下。違うデザインでもバランスが取れている

   色や柄が違うといっても、実はちゃんとした理論に基づいてデザインされている。色相環をもとに、類似色を集めた「marvelous」や反対色を組み合わせた「kooky」など4シリーズが売られている。

「同じシリーズ同士なら、どれを組み合わせてもバランスが取れるようになっています。もちろん、違うものを合わせても良いですよ。あとはセンスしだいですね」(佐藤社長)

   オシャレで楽しいというだけではない。自分で様々な組み合わせを試していくことで、自己表現力や想像力などのセンスが磨かれる。そのため「知育」にも効果があるという見方があるのだ。早稲田大学で「考える力」(Higher Order Thinking Skills)などについて教えるアカデミックスキルズインストラクターの山田善紀さんは語る。

「知育の方法に『色や形を合わせる』というのがあります。知育玩具として売られている積み木などを使うことが多いのですが、玩具だと子どもは1回遊ぶと飽きてしまいます。その点、『リトルミスマッチ』の靴下だと、日常生活の中で飽きることなく、頭を鍛えられます。また、カラーリングが豊かなのもポイントですね」

「チャリティとビジネスを両立したい」

   子供の教育にも効果があるというリトルミスマッチだが、ビジネスだけでなく、チャリティにも力を入れている。米国のリトルミスマッチ社は、06年5月にはブリトニー・スピアーズら、セレブが組み合わせたアイテムをオークションにかけるイベントを開催した。

   日本のミスマッチジャパン社でも同様のチャリティイベントを企画中だ。実は、同社の佐藤社長が起業した理由も「チャリティとビジネスの両立」にあった。2年半前に退職するまでの11年間、海上自衛隊でヘリコプターのパイロットをしていたという佐藤社長は、次のように語る。

「もともと『将来、発展途上国に学校を作りたい』という夢を持っていました。そして、海上自衛隊を退職後に、チャリティと両立できるビジネスを探しているときに、『リトルミスマッチ』のことを知り、会社を興しました。今年の秋頃には日本でもチャリティオークションを開催する予定です」

   日本でも、倖田來未さんが2月3日放送のフジテレビ系「新堂本兄弟」で、最近のかわいいモノとして「リトルミスマッチ」シリーズの小物入れを紹介するなど、芸能人の愛用者も多そう。秋のオークションも楽しみだ。

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