人気マンガ「ドラゴンボール」に登場するアイテム「スカウター」によく似た超小型ディスプレイが発売され、話題を呼んでいる。光学・分析機器メーカー、スカラが開発した「Teleglass(テレグラス)T3-A」という名の商品。メガネに装着してディスプレイを覗くと、目の前に大きなスクリーンがあるように見えるのだという。
目の前に28インチの大画面が映し出される
スカラの「Teleglass(テレグラス)T3-A」。メガネに装着した様子は、ドラゴンボールの「スカウター」によく似ている
テレグラスは、メガネに取り付けるタイプの超小型モニタ。外部機器からビデオ信号を入力することで、眼前の2メートル先に28インチの画面が立ち現れる。「片眼式タイプ」のT3シリーズは、ドラゴンボールでサイヤ人が身につけていた「スカウター」にそっくりだ。
このユニークな製品を開発したスカラ社はもともと、医療機関や工場向けにデジタル顕微鏡などの光学・分析機器の製造を手がけてきた会社。スペースシャトルの断熱タイルやエンジン部を検査するため、NASA(アメリカ航空宇宙局)が同社の液晶付きデジタル顕微鏡を採用するなど、幅広い分野でスカラ社製品は使われている。
そんなスカラ社が「テレグラス」シリーズの開発に着手したのは、7年前にさかのぼる。きっかけは医療現場からの要望だった。
「顕微鏡手術をする医師から『患部の拡大映像を離れたモニターで見ながら、何時間も同じ姿勢で手術をするのは体に大きな負担がかかる』と聞き、頭に装着する形の小型モニターの開発を始めました」
と、同社でテレグラス事業を担当する清原大三取締役は語る。
開発に成功し、業務用に初代テレグラス「T3-F」を10万2900円で売り出したのは2007年。専用の国産チタン製メガネに装着する形だった。業務用に発売したものだったが、「ドラゴンボールのスカウター」のようなデザインが話題に・・・