「漢字仲間」の百度に期待したい
百度で「ジェイキャスト」を検索すると3,620件。Googleの約1/5だった
08年1月には日本の検索サービス市場でも新たな動きがあった。中国国内でグーグルを抑えてシェアトップの検索サービス「百度(Baidu)」が1月23日、日本で正式にサービスを開始したのである。
国内ではヤフージャパンが検索シェアでグーグルを抑えてトップに立ち、二強体制を築いている。ポータル戦略でも、オークションを軸に手堅く収益を上げ、米ヤフーとは対照的な現状。そこに割って入ろうする百度がアピールするのは検索エンジン本来の「検索力」だ。
「漢字(2バイト文字)には多義性がある」「単語と単語を区切るスペースがない」と、英語などの違いを挙げ、「中国発の検索エンジンだからこそ、これらの諸問題に対して技術的なアドバンテージがある」 との説明には、筆者は大きく頷いた。グーグルにしろ、ヤフーにしろ、そのシステムはローマ字検索用に作られており、「漢字ユーザーは何か損をしているのではないか」という不安がぬぐえなかったのだ。
その意味では、国内の大手ポータルが独自のウェブテキスト検索の開発を放棄したのは残念だし、「漢字仲間」の百度には大いに期待したい。ただし、これまで百度を試したところでは、漢字の検索で、グーグル以上の精度は実感できなかった。また、表示される検索結果数も少ないようだ。
虎古田・純