実際に触ってみると、悪くない
7インチと小さい液晶画面。両脇がスピーカーになっている
メーカーの説明では、Eee PCは「モバイル・インターネット・デバイス」である。いわゆるノートPCに比べるとスペック的に劣るのを謙遜(あるいは言い訳)した呼称なのだろう。当初予定されていた名称には「PC」もなかったとも聞く。
記憶装置にSSD(ソリッド・ステート・ディスク)を採用したのはモバイルの「近未来型」として評価したいが、容量は4GB。出荷時状態で、ユーザーの可処分容量は1GB程度だ。OSにせっかくWindows XP(Home Edition)が搭載されていても、インストールできるアプリケーション、保存できるデータは限られてしまう。4GBのSDHCカードが付属するが、それでも十分とは言えないだろう。
バッテリーの駆動時間も公称3.2時間と短い。「真のモバイル・デバイス」「未来型」と言い切るには、いま一歩足りない感がある――。筆者の頭の中は、この商品の毀誉褒貶が渦巻いていたが、いざ実物をチェックすると好印象が強まった。Eee PCは、床の間に飾っておくのがふさわしい細身の"工芸品"ではなく、モバイルで使いたいと思わせる実用品であった。
筐体は頑丈。キーボードはピッチが狭く、慣れは必要になりそうだが、打ち心地自体は的確なレスポンスとストロークが得られ、悪くない。数十秒で起動するWindows XP Home Editionの動作も十分。7インチの液晶画面は予想以上に見やすい。USB×3にカードリーダーと、インターフェイスもこのサイズにしては豊富だ。