若者あつめる「韓流レトロ居酒屋」 27歳経営者が語る「人気の秘密」

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忙しい現代社会で、ふと昔を思い出せる場所に

水晶の板で焼くサムギョプサル
水晶の板で焼くサムギョプサル

   バクさんは若干27歳。2004年4月に来日し、日本語学校や服部栄養専門学校に通った後、06年11月にトンマッコルを開店した。

「店の名前の『トンマッコル』は、韓国で大ヒットした映画からとりました。映画では朝鮮戦争の時代に、戦争のことを何も知らず平和に暮らす村が出てきます。『戦争』の時代に『平和』な場所があった。いまでいえば、ビジネスや勉強で忙しい現代社会のなかで、ふと昔を思い出す空気を大事にしたかったのです」

   そんなトンマッコルの代表的メニューは、水晶の板で焼くサムギョプサル(豚の三枚肉を焼く料理)。韓国から直輸入した水晶板は熱伝導がよく、肉の旨みを引き出すという。韓国では、焼肉の鉄板にもいろいろなバリエーションがあるが、水晶板を使う店は、近所ではほかに1軒しかないそうだ。

   サムギョプサルと並んで目玉となっているのが、いまソウルや釜山で流行っている「フュージョン料理」だ。中華風にアレンジしたチゲ「海鮮おこげ鍋」や西洋風にチーズを隠し味に使った「キムチチーズチジミ」など、韓国料理の伝統に西洋や中華のアレンジを加えているのが特徴だ。

   このようにトンマッコルでは、韓国の「昔」の雰囲気を作り出す一方で「今」も演出し、若者を引き付けようと腐心している。

「オモニ(お母さん)がつくる一般的な家庭料理ではなく、若者をひきつける新たな分野の料理に挑戦したい。『フュージョン料理』も、新大久保を訪れる日本人に、韓国の都会では今こんな料理が流行っているという『いまの韓国文化』を伝えたかった」
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