映画「ALWAYS 三丁目の夕日」がヒットするなど「昭和レトロ」が注目を集めているが、「韓流レトロ居酒屋」も静かなブームだ。約1年前に東京・新大久保にオープンした韓国式居酒屋「トンマッコル」もその一つ。若き韓国人オーナーが経営する人気店を訪ねて、コンセプトや工夫を聞いた。
70年代の韓国の下町をイメージ
店内は1970年代の韓国の下町をイメージして、木の柱やハングル文字の看板を使った
トンマッコルが店を構える新大久保は、韓国系の飲食店が軒を連ねる「コリアン・タウン」。そんな立地環境を反映して、客は韓国人と日本人が半々といったところ。20代から30代のグループが中心で、とてもにぎやかだ。
店内の装飾は、韓国の昔の下町のイメージ。ハングル文字の「風と共に去りぬ」のポスターや駄菓子屋のおまけなどがあちこち飾られ、韓国版「ALWAYS 3丁目の夕日」といった感じだ。日本と似たところがあるせいか、韓国の昔も知らないのに、言い知れぬ懐かしさに襲われてしまう。一方で、現代のソウルの学生街にある飲み屋にまぎれこんだような気にもさせられる、不思議な雰囲気をもった居酒屋なのだ。
「店の雰囲気は、70年代の韓国の下町を狙いました。この時代は、韓国では『漢江の奇跡』と呼ばれる高度経済成長が本格的に始まったころで、貧しかったが、皆が希望を持てた時代。みんなで一杯やりながら過ごす時間がとても貴重だった当時の雰囲気を再現したいと思いました」
と、トンマッコルのオーナー、パク・ヒョンウグさんは語る。