ヒトもモノも「スリム」であることが好まれる時代。モノウォッチに登場した商品の中にも、スリムさを強調しているものは多い。今回はそんな「スリム・ビューティーなモノたち」を取り上げてみよう。
「薄さ」で勝負するアップルとソニー
アップル「MacBook Air」
「スリム」で話題になった商品としてすぐに思い浮かぶのは、アップルのノートパソコン「MacBook Air(マックブック・エア)」だ。最薄部約4mm、最厚部で約2cm。写真を見ればわかるように、たしかに薄い。
スリムであることは、スマートさにつながる。オシャレだ。非常にアップルらしい製品だと思うが、モノウォッチのコラム「DIGITAL WAVE」は、「ユーザーの利便性までゴッソリと削られてしまった」とマイナス面に目を向けた。このやや過激な論評に対して、コメント欄にはマックの擁護派、批判派のコメントがそれぞれ寄せられて、盛り上がりをみせている。
薄いといえば、ソニーの有機ELテレビも薄かった。実物を真横から見ると「これがテレビか」とその薄さにびっくりさせられる。デザインも非常にシンプルで美しく、その姿は精巧な工芸品を思わせた。ただ画面は11インチと小さい。大型化できるかどうかが、本当にヒットするかどうかのカギとなりそうだ。
「薄さ競争」激化!ケータイ業界の戦いは続く
ソフトバンクモバイルが発売した「The PREMIUM SoftBank 821SH」
薄さでしのぎを削っているといえば、もっとも激しいのは携帯電話業界かもしれない。
auブランドを展開するKDDIは2007年11月に「厚さ15.4ミリのスリムなワンセグケータイW53K」を発売した。製造は京セラ。薄いケータイはほかにもあるが、ワンセグでテレビも見ることができるケータイとして薄いぞ、というわけだ。
しかし翌12月、今度はソフトバンクモバイルが、厚さ約12.9ミリのケータイ「The PREMIUM SoftBank 821SH」(シャープ製)を「世界最薄のワンセグケータイ」として売り出した。今のところ折りたたみ型のワンセグケータイとしては世界最薄だという。
そのさらに次の月の08年1月、NTTドコモは「世界最薄の防水携帯電話」をうたった「F705i」(富士通製)を発売した。その厚さは13.7ミリで、防水ケータイとしては一番薄いとアピールしている。
ワンセグや防水などの機能を盛り込みつつ、いかにスリム化して持ち運びやすくするか。それは携帯電話の永遠の課題といえる。今後も携帯電話の「薄さ競争」は続き、「世界最薄の○○ケータイ」と名乗るケータイが次々と登場してくることだろう。
銀座の街にはスリムな電気自動車が似合う?
シードのホルダー型消しゴム「スプレンディプラス」
スリムなボディを強調した商品はデジタルものに目立つが、変わったところでは厚さ2.2ミリの消しゴムというのもある。シード社が発売したホルダー型消しゴム「スレンディプラス」だ。消しゴムはカッターナイフのようなホルダーに収められていて、一見すると消しゴムには見えない。
シード社の担当者によると、「小さな文字や細い線をピンポイントで消すことができる」という。「スリム=スマート」ということなのだろう。同社は「デザイン的にも、最近はやりの高級文具の横においても恥ずかしくない」とスタイリッシュであるとアピールしている。
最後に取り上げたいのは、スリムなクルマ。最近は、環境意識の高まりや燃料高の影響でコンパクトな自動車に人気が集まっているが、その究極ともいえるのが、東京のベンチャー企業「オートイーブィジャパン」が発売した「ジラソーレ」である。
家庭で簡単に充電できる電気自動車というのが最大のセールスポイントなのだが、その小ささも際立っている。全長2345ミリ、全幅1260ミリで、トヨタ・カローラのほぼ半分しかない大きさなのだ。
2人乗りのためファミリー向きとはいえないだろうが、東京のような都会で営業用として使うのには適しているのではないだろうか。このジラソーレが実際に走っているところを銀座で目撃したが、街の雰囲気にとてもマッチしていると感じられた。