「世界最薄」新型マックブック ユーザーのメリットも「薄かった」

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「世界最薄」はマジックの小道具にしかならない

フルサイズのキーボードは、「薄さ」以外では数少ない「売り物」のひとつ
フルサイズのキーボードは、「薄さ」以外では数少ない「売り物」のひとつ

   こうしてみると、新マックブックの存在価値はすべて「世界最薄」という一点に集約されそうだ。しかし、それすら実質的なメリットがあるのかは疑問だ。

   ノートパソコンの携帯性は「薄さ」だけではなく、重さや大きさ(体積)をトータルで考えるべきだし、それらは液晶画面サイズや光学ドライブの有無、バッテリーの大きさ(駆動時間)などによって大きく左右される。

   ジョブズがマックブック・エアのライバルとして名前をあげたソニーのノートパソコン「VAIO type G」を例に比較してみよう。約3ヶ月前に発売された(この業界では古くなりつつある)「VGN-G2KAN」は、画面サイズ12.1インチで駆動時間は11.5 時間、重量1.143 kg。DVDスーパーマルチドライブを搭載し、LANやメモリーカードスロット、PCカードスロット付きで、現在の最安価格は20万円を切る。

   光学ドライブ非搭載のマックブック・エアは13.1インチ、駆動時間は5時間。重量は1360gであり、バイオより200gも重い。サイズはマックブックの幅325×高さ19.4× 奥行き227mmに対して、バイオは277×25.5×215mm。体積はほぼ同じで、「薄さ」の差はおよそ6mm――。

   ここでの「6mm」の違いに、どんな意味があるのだろうか。ジョブズのように、マックブック・エアを紙封筒に入れて持ち歩き、誰か人に会う毎に取り出して見せれば、相手は驚くかもしれない。でも、そんな奇術が通用するのはたぶん1人につき1回きりだ。

虎古田・純

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