Blu-rayが「勝者」とは限らない・・・
売れ行き絶好調とは言えないPS3だが、BDの普及には一応一役買った
「Blu-rayが優勢」。このニュースは、あちこちで大きく報道されていたが、そのうちに、筆者は若干の違和感を持つようになった。たしかに次世代DVDの"対決""勝負"は面白い。しかし、このパッケージメディアの対決から、必ずしもネット&デジタル界の「次世代」が見えるとは限らないのだ。
「勝者はBlu-rayでもHD DVDでもなく、ハードディスク」という主張を展開するSeagate(シーゲイト)のCEOも同じ意見らしい。この会社はHD製造メーカーなので我田引水的な発言であり、そもそもHD会社がフラッシュメモリーを仲間扱いしてよいのか疑問だが、それでもこの言葉は示唆に富む。
たとえば「音楽」というジャンルでは、ネット配信とデジタル音楽プレーヤーの普及で、CDというメディアの役割は相対的に低下した。今後、より高速なネットワーク環境が行き渡り、HDDレコーダなどを含めたストレージが高容量化すれば、映像分野で同じことが起きてもなんら不思議ではない。
次世代DVDの関ヶ原はようやく終わろうとしているが、そのすぐそばには、もう「黒船」が来ているのかもしれない。
虎古田・純