「血筋」以外の魅力が乏しいHD DVD
国内で唯一HD DVDレコーダーを発売する東芝「RD-A301」。実売10万円前後
同じく様子見を決め込んでいた他の映画会社、コンテンツ・ホルダーも、ワーナーにならってBlu-ray一本化の動きを見せている。さらに、これまでHD DVD支持だったマイクロソフトまでが、将来的にXboxでBlu-rayをサポートする可能性を示唆した。
こうなると、HD DVD陣営は、"西軍"のように総崩れ状態だ。あとは潰走したのち、落ち武者暮らしが待っている――とまで言い切るのには、少々早すぎるだろうか。
ここへ来て流れが一気に傾いた理由は何か。筆者はこの件の専門家ではないが、一ユーザーとして両者を見比べてみると、やはりBlu-rayのほうが魅力的だ。
Blu-ray陣営はディスク容量を200GBまで拡張可能といった発展性を示し、PS3などにも搭載して、現実にシェアを獲得していった。対するHD DVDは、DVDの規格を策定する「DVDフォーラム」で提唱された、現行DVDの「正統な後継者」であるという"血筋"以外、ハッキリとした優位性が打ち出せていないように見える。なんだか、この点も西軍に通じるような気がしてくる。
虎古田・純