都心の高層マンションには「緊張感のある家具」が似合う

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多目的な空間を念頭においた家具作り

プロダクトデザイナーのグエナエル・ニコラ氏と「arti」の新しいソファに座りながら語る筆者
プロダクトデザイナーのグエナエル・ニコラ氏(右)と「arti」の新しいソファに座りながら語る筆者

   arti(アルティ)という家具のブランドが誕生した。業務用の家具なのだが、僕がこのところ考えていた「オンとオフが混在する今の暮らし方」というものに対し、とっても馴染みのあるシリーズの展開を考えているようだ。

   プラスコクヨなど、オフィス家具のメーカーは存在する。またホーム・ユースの家具メーカーにはアルフレックスやカッシーナなどがある。しかし現在の暮らしの中ではこのどちらでもない多彩な空間がある。そこに向けての提案だ、と明確に打ち出したメーカーがこれまではなかったのだ。代わりにインテリア・コーディネーターがオフィス・ユースとホーム・ユースの中からなんとか見繕って、そうした「オフィスとホームの中間のような空間」を作ってきた。

   artiの家具作りは、この多彩な空間を最初から念頭においている。ホテル、店舗、レストラン、スパ、クリニック。それぞれの用途、やって来る人々のテンションとリラクゼーション。それを念頭にシリーズが作られている。そして、テキスタイル・デザイナーの須藤玲子さんと最初の布作りから取り組んでいるという念の入れ方。

   南麻布にこの12月に誕生したショールームのオープニングにお邪魔して、artiのコンセプトをうかがい、まさに今それが必要だと納得した。コンセプトには「ライフスタイルがフュージョンする現代において、多目的に使用されている空間のために誕生しました」とある。タワーマンションで漠然と僕が感じていることをカタチにしていた訳だ。

坂井直樹


※「arti」レセプションでのインタビュー映像は「emo-TV」 こちら>>



◆坂井 直樹 プロフィール
ウォーターデザインスコープ代表/コンセプター。1947年京都市出身。京都市芸術大学デザイン科入学後、渡米。サンフランシスコでTattoo Companyを設立。ヒッピー達とTattooT-shirtを売り、大当たりする。帰国後、ウォータースタジオを設立し、日産「Be-1」「PAO」のヒット商品を世に送りだし、フューチャーレトロブームを創出した。2004年デザイン会社、ウォーターデザインスコープ社を設立し、ケイタイを初めとした数々のプロダクトを手がける。現在auの外部デザイン・ディレクター。07年9月、新メディアサイト「emo-TV」を立ち上げる。

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