「萌え~」なツアー客に戸惑う企業
陽が落ちても煙を上げ続ける東京湾沿いの工場。その夜景は美しい
だが、こうした自治体や企業の期待と「工場萌え~」なツアー参加者の思惑はすれ違っているようだ。
「企業さんは、教育的なもの、例えば、省エネとか環境問題への取り組みとか、わが社もこんなにやってますよ、というのをツアー客に感じてほしかったんだと思います。ところが、参加したお客さんは、みな『萌え~』の人ばかりなんです。『萌え』の方は、そういう企業の担当者の説明は上の空で、ただ、ただ、プラントの外壁やパイプラインをうっとり眺めているんです」
ツアーに関わった千葉県の担当者はこう漏らす。ツアーを企画・実行するなかで、受け入れる企業側の考えとツアー客の大きなギャップを感じたというのだ。
しかし、何事もギャップを埋めようとしなければ、前へ進めない。八馬助教は
「工場側には戸惑いもあったようだが、だからといってネガティブに捉えるのではなく、見学ツアーを積極的に活用するよう努力すべきだ」
と話している。