東京・新宿駅の地下通路に奇妙な「壁新聞」が出現した。国民的辞書としておなじみの「広辞苑」の全ページ、実に3010ページがひと続きの横長のポスターとなって、壁に貼りだされているのだ。高さ約2メートル、幅約14.5メートルと、長~い「広辞苑」のポスターに掲載されている言葉の数はなんと23万語。そのすべての言葉と意味がポスターの上に印字されている。
新宿駅の通路に張り出された広辞苑の特大ポスター
ポスターとして貼り出されたのは、1998年に出版された「広辞苑 第5版」。それから10年のときを経て、「広辞苑」は全面的な改訂をおこなうことになった。出版元の岩波書店は「このポスターに掲載されている23万語すべてを見直して、第6版を作成しました」と、その仕事の膨大さをリアルに感じてもらおうとアピールしている。ニューバージョンの「広辞苑 第6版」は08年1月11日に発売される。壁新聞のようなポスターは、そのキャンペーンの一環として貼りだされた。
同じような「広辞苑」のユニークなポスターは、渋谷駅の東急東横線ホームにも掲示されている。こちらは横幅が8.7メートルで、新宿よりもやや短い。それでも実際に目の当たりにすると相当な長さだと感じる。
この長大な紙の上に印字された、膨大な量の言葉を一つ、一つ吟味するという気の遠くなるような作業を経て、新しい「広辞苑」は作られた。収録された言葉の数は旧版よりさらに1万語も多い24万語。新宿駅と同じ横長の「壁新聞」にすると、15.1メートルになる計算だ。