自動車はエンジンにより走る機械である 「アウディA5」

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   社会のすべてがデジタル化に向かっている。自動車も例外ではない。走ることも様々なデジタルによって管理されているし、今の自動車から電子制御を取り除くことはできない。しかし、もちろん、自動車はエンジンによって走る機械である。そこがなかなか最近のデザインからは感じられない。

「TTクーペの呪縛」を振り払ったデザイン

アウディの「A5」。逆台形のフロントグリルを大きくとった野生的なデザインだ
アウディの「A5」。逆台形のフロントグリルを大きくとった野生的なデザインだ

   2007年11月4日、神宮前にできた唐突で巨大な氷山、アウディフォーラム東京で新モデルA5を見た。アウディはマシンらしさを伝えるのにもう一度成功したと言えるのではないだろうか。

   この10年間でのアウディの快挙は初代TTクーペだろう。日本では1999年に発売され、丸いシンプルなラインで構成されたフォルムや、ホイールアーチをくっきりと浮き立たせるような演出が評価された。ホイールを思わせる円形を、全体の形から細部にまで反映させた。できあがったデザインは「自動車は走るマシンである」と語りかけてくる。

アウディの「TTクーペ」。丸いシンプルなラインで構成されたフォルムが印象的
アウディの「TTクーペ」。丸いシンプルなラインで構成されたフォルムが印象的

   TTクーペのデザインがあまりに評価が高かったため、しばらくアウディは呪縛にかかったように思い切ったデザインの変更ができなかった。多くのモデルがTTクーペの要素を少しずつ取り込んでしまっていた。

   そして今回のA5である。TTクーペの余波は完全に払拭され、まったく新しい顔つきのクルマがそこにあった。エンジンを冷却する空気孔、フロントのグリルを思い切り大きなシングルフレームに見せていた。エンジンの強調だ。なるほど。新しいデザインは「自動車はエンジンにより走るマシンである」と語りかけてきた。

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