「ケータイ小説の力ってすごいなぁ」
大分市ロケーションオフィスが作成した「ロケ地ガイド」。無料のパンフレットがオークションサイトに出品され、1860円で落札された
もう一つの大きなヒット要因は、このところ脚光を浴びている「ケータイ小説」の絶大なパワーだ。
映画の原作である「恋空~切ない恋物語」は、ケータイサイト「魔法のiらんど」に05年12月から掲載された小説だが、中高生を中心に延べ1200万人以上が読んだという超人気作品。06年10月に書籍化されると、発売後1か月で上下巻合わせ100万部を突破し、出版関係者を驚かせた。
「1200万人のファンがいる小説が原作ですからね・・・もともとの知名度がケタ違いだったので、ヒットするのは間違いないと思っていました」と、映画の中身には批判的な渡さんも語る。
映画の公開前、宣伝ポスターを作るために東宝の宣伝担当者が東京・渋谷の街頭などでヒアリング調査をしたら、「ほとんどの女子高生が恋空を知っていて、びっくりしました。ケータイ小説の力ってすごいなぁと思いましたね」。
そのときの調査をもとにして作られたポスターは11月中旬、渋谷駅の構内に張り出された。「ポスターを熱心に見つめる女子高校生の集団を見かけた」という28歳のOLは「わいわいしていて、三十路手前は近づけませんでした」としみじみ話していた。