歯ごたえのあるフランスパンとジューシーなソーセージ
フランス製の専用加熱器にバゲットを刺して、中から温める
ユニークなのは、その調理法だ。細長いロケット鉛筆のような形をした金属製の加熱器にフランスパンを刺して、1分30秒ほどパンの中を温める。こうすることで、固いフランスパンの中身が柔らかくなり、外側はサクサク、中はモッチリという新しい食感が生み出されるのだという。
では、そのお味はいかほど? 駒澤社長に薦められるまま、あらびきソーセージが入ったホールドバゲットをいただいてみた。
ガブッと食いついてみると、さすがにフランスパンだけあって歯ごたえがある。奥歯に力を入れて噛むと、パンの食感とともにソーセージのジューシーな味わいが口の中に広がった。「うまい」。マスタードに白ワインを加えて作ったというソースもいい感じで効いている。
「フランスパンは日本人に合うような固さと大きさのものを選んでいます。ソーセージも穴にちょうど合うように調整して作っているんですよ」
それでも、こんな歯ごたえのあるフランスパンでは高齢の人は大変だろう。そこで店では、普通のフランスパンよりずっと柔らかい「ソフトタイプ」のパンも用意して選べるようにしている。
サイドメニューも、タマネギ4分の1個をぜいたくに使った「オニオングラタンスープ」や、ジャガイモの中をくりぬき、チーズとベーコンをのせて焼いた「ポテトスキン」など、他のファーストフード店にはない工夫をこらしている。
値段はホールドバケットとスープ、ドリンクで800円近くなるから、マクドナルドなどに比べるとやや高めだ。だが、駒澤社長は「この値段でこの味を食べたいというお客さんに喜んでもらえばいい」と自信をみせる。
出足はなかなか好調で、すでにリピーターの客も来ているという。「一度に18本もまとめて買っていってくれたお客さんもいました」というから、ちょっと驚きだ。